いつまでもあると思うな親と金


親父が倒れた。心筋梗塞で、

ある日曜の朝6時、妹から電話が来た。

「お父さんいま心臓の手術してる。」


急いで支度をし、地元である隣の県の医大へ向かった。

着くまでに1時間半かかったが、まだ手術は終わっていなかった。


妹の手には同意書などの書類がいくつか

彼女によると同意書がないと手術が出来ないからと言われ、ないとどうなる?と聞くと、そういう次元じゃないから。と言われたそう


しばらくして主治医からの説明。

手術は成功。心臓の大きな血管の3本のうちの1本が詰まり、心筋梗塞を起こしていたこと、その3本全てが良くない状態であること、そして合併症のリスクが大きく、最悪は突然死も有り得ることを告げられた。


けれどすぐに父とテレビ電話で話すことが出来た。コロナの関係でICUには入れないことになっていたからだったが、家族としては話せるのは安心材料だった。


父から出たのは仕事の話ばかり。あぁ大丈夫なんだなと思いほっと胸をなでおろし、病院を後にした。


安心していたけれど、父はうっ血性心不全を起こしていたらしい。本当はICUではなく、一般病棟に移る予定が、合併症を起こしたのでICUに1泊したんだとか。


その後父は、手術した1本とは別の血管の手術を入院中にした。

最終意思決定は長女である私。この年でこんな重大なことを決めなければならなくなるとは思ってもみなかった。


病院から電話が来る度に、父に何かあったのでは無いかと本当に本当にドキドキしながら電話に出ていた。


祖父のお墓に毎日手を合わせに行ったり、お寺でお守りを買い、祈祷してもらった。私が頼ることが出来るのは仏様と先祖しか居ないのだなと痛感した。


回復が早かった父は、予定より3日早く退院した。しかし2週間後に残りの1本の手術も控えていた。



家と実家の往復は結構きつかった、

電車とバスを乗り継いで3時間。大変だった



最後の1本の手術を終えた父はいま、元気に過ごしている。

この一件があってから、思うのは「いつまでもあると思うな親と金」だ、


大切にしよう